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主双対内点法を多項式時間内で収束させるには、
中心パス
の何らかの意味での近傍内を探索する必要がある。
しかし、経験上、
や
が正定値であるという条件さえ守れば、
主双対内点法は最適解に収束することが分かっている。
そのため、以下のようにしてステップサイズを定めると実用的である。
まず、
を満たすような最大のステップサイズ
を計算する。
すなわち、その値を
とすると、
である。
の値を得るためには、
の部分と
の部分に分けて考えるとよい。
今、
が半正定値領域に留まるような最大の
(
と呼ぶ)について考えよう。
以下では、
を行列
の最小固有値の
意味で使う。すると、
が成り立つので、求めたい
は
となる。
同様のことは、双対問題の変数
についても成り立ち、
が半正定値領域に留まる最大の
は、
で求められる。このとき、
が
となるのは明らかであろう。
主双対内点法のステップサイズ
は、
の
倍程度に設定するとよい。
ただし、ステップサイズを余り大きく取り過ぎると、
主双対内点法の収束に支障をきたす場合がある。
そのため、
以上ならば強制的に
にしておく必要がある。
すなわち、
で、計算されるステップサイズ
を採用すれば良い。